切れていた親子の絆

前回のつづきです。

これまで知らなかった叔父さんの一面を知り、ある意味勉強にはなりました。
ただ、それとは別に叔父さんが亡くなったことでもう1つの騒動がありました。

「叔父さんが亡くなった」と連絡が来た後。
母が葬儀に参列することになりました。
葬儀の形式は、ごく身内だけで行う家族葬とのこと。

叔父さんには息子(長男)と娘(妹)が1人ずついて、娘の方は県外で働いています。
息子の方は過去にバイトしたり就職したりしたようですが、いずれも長く続かずに1~2年前に実家に戻ってきて、現在はおそらくバイト生活。
俺とかなり似た境遇です。

娘が県外にいて、息子はそういう状態ということもあり、喪主は叔父さんの奥さんである叔母さんが務めることになるだろうと推測しました。
なので母とはそこらへんのことを特に話したりしませんでした。
まぁごく少人数の家族葬。
流れに任せて粛々と進めていき、無事に終わるだろうと。

3日後。
葬儀が終わり母が家に帰ってきました。
とりあえず葬儀のことについて話を聞くと、無事に終わったとのこと。
ただ・・・ちょっと問題が起こったそうで。
何があったのか聞いてみると・・・。
叔父さんの火葬の際、息子が火葬場に来なかったんだそうです・・・・・・。

事の経緯はこんな感じ。
通夜に数人の親戚がきて、トラブルもなく終了。
その夜、叔母さんが息子へ、翌日の葬儀会場へ行く時間などを伝えて車の運転をお願いしたそうです。
「7時30分ごろに行かなきゃいけないからよろしくね」
と。
息子はそれを了承。

しかし、翌日。
朝になり、そろそろ葬儀会場に向かわなければいけない時間になったのですが・・・。
自分の部屋から出てこない息子。
叔母さんが声をかけても反応がなく、いよいよ出発しなければいけない時間に。
葬儀の時間などは決まっておりお坊さんの手配なども済ませていますから、変更はできません。
そのため、とりあえずうちの母が叔母さんたちを葬儀会場まで送ることに。
これは母もどのみち一緒に行くので問題はないのですが・・・。
前日の通夜には参加していて、翌日の葬儀に行くことも了承していたのに、突然部屋から出てこなくなった息子。
あまりに意味不明な行動に、周りは不穏な雰囲気になったようです。
「なんでアイツ来ないんだべな」と。

んで、ですよ。
時間通りに葬儀は執り行われて、後は火葬を残すのみ。
空いた時間に叔母さんは「火葬場に来るだけでもいいから」とメールを送ったそうなのですが・・・。
返信は一切無し。
そしてそのまま火葬が行われて、葬儀が終了。
これを聞いたとき、本当に唖然としました。
息子の意味不明すぎる行動に。
それというのも、俺は「なにがあっても火葬には参加しなきゃいけない」という考えだから。
で、実際にこんな俺でも父の葬儀や火葬には参加しましたから。
血が繋がった実の家族。
遠方にいたりどうしても外せない仕事があるなどの場合は、「仕方ない」ということもあるかもしれません(このケースならまず休ませてくれる会社が大半だと思いますが)。
でも、今回はまったくそうじゃないわけで・・・。

 

 

 

 

そもそもこの息子。
通夜の際などは親戚の人にもちゃんと気を配った行動をしていたようです。
例えば親戚の1人が好きなお菓子があるから、それを食べさせるためにわざわざ店に買いにいったりしたんだそうで。
俺にはこういう行動力はないから、この点は素晴らしいと思います。
でも、そういう気配りは出来るのに、なぜ父の火葬に参加しないのかが意味不明。
本来なら一番そこをしっかりしないといけないと思うのです。
それこそ親戚にお菓子を買ってくるなんてことをやるよりも、葬儀に参加するのがはるかに大事。
だって後にも先にもこれが出来るのは1回きりですからね。
なにかしら思うところがあっても、ここだけは絶対に参加しなきゃ行けないと思うだけに、母と
「よくわかんないねぇ・・・」と言うしかありませんでした。

で、このことについて母は妹に「なんなのだろうね」と聞いたんだそうです。
すると妹は、
「おばちゃん、価値観の違いだよ」
との回答が。
妹いわく、どうやら息子はきのうの通夜に参加した時点で
「俺はやることはやった」
という認識になったんじゃないかとのことでした。
だから翌日の葬儀や火葬には参加する必要はないと。
これを聞いても母や俺はピンときませんでした。
ただこの話を聞き、身内が息子に対してそこまで割り切っているのを聞いて、俺がまったく知らないところで、いろいろあったのだろうと思いました。
もうアレコレいうのではなく、「諦めている」というか。

というわけで、ドン引きさせられた息子の行動。
更にこのことについて話を聞いていくと、なんでも息子は葬儀社の担当と叔母さんが話していて同席するべき席でも、目を離すと自分の部屋に戻ろうとしていたりしたんだそうで。
こういうのを聞くとなんだか悲しくなってくるのですが、まぁ俺も人にアレコレものを言えるような立場ではありません。
はるか年上で本来ならそういう息子を指導したりする立場なのでしょうが、それが出来ないというのが何とも情けないところです。
でも、まぁここまでくると、たぶんまともな人間でも息子には関わらないというようなスタンスを取るような気がします。
それほどいろんな意味での闇が深い気が。
そしてこの後、その闇についていくつか知ったことがありました。

つづく

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