父が3回目の入院をして数日過ぎた7月上旬。
このころの父は、今後の在宅で過ごす際の要望を母に伝えていたようです。
その要望の一つ目はベッド。
蔵王の祖母の家の一階に、自分たちが遊びに行ったときなどに眠るための大きめのソファーベッドがあるのですが、それを蔵王から自宅まで運んでほしいとのこと。
二つ目は、自宅の一階の一室を、自分が寝て過ごせるように片付ける。
三つ目は、トイレに行くのもおっくうになってきたので、寝床にポータブルトイレを家に置く。
これらのことをよく母に話していたそうです。
でも、この要望を聞いてまず自分の頭によぎったのはポータブルトイレのこと。
いままでそういうトイレの後処理なんかしたことないから、これはいくら父のこととはいえ、かなり大変な気がしました。
まぁ、毎日処理を繰り返すにつれて慣れていくしかないものだとは思いますし、父がそれを望むならやるしかないのですが。
そして次に思ったのはベッドのことでした。
このことは母も父から聞いたときに、かなりの疑問を持ったようです。
というのも、蔵王から大きいベッドだけを仙台に運ぶというのは自分たちでは無理。
そのため業者の手を借りる必要が出てくるのですが・・・。
けっこうな大きさのため、「運ぶだけでも相当な料金がかかりそう」と不安を覚えた自分と母。
だから、「これはどうしたもんかなぁ」と2人で悩みました。
でも、このベッドの事は意外にあっさり解決しました。
というのも、母がピンと閃いたのです。
「なにも蔵王からベッドを運んでくるんじゃなくて、仙台にある介護のベッドを貸してくれるところからレンタルしてくればいい」と。
これは自分にはまったく思い浮かばなかっただけに、目からウロコ。
母と、「料金が高くなろうとも、父が好む大きさのベッドを借りてくれば問題なし」という結論に達し、これらの件についてはとりあえず解決しました。
そして次に母と必要になったのは自分のバイトのこと。
実はこの7月上旬ごろ、「いったん弟が退院出来そうだ」という話がお医者さんたちから出て、自分も母も後は父の方に力を注げると思っていました。
で、これなら母が父の面倒を見れるから、自分もバイトを週2~3日なら続けられると考えていたのですが・・・。
なんと一通りの退院手続きが終えた退院日の前日の夕方、これまで見えなかった病気の痕跡が見つかり退院が取り消しに。
命が大切で病気の治療が優先であることは分かっているものの、このときは母と心底ガッカリして、精も根も尽き果てた感じになりました。
およそ2ヶ月に及ぶ付き添いや病院通いでお互いに疲弊しきっていたというのもあり、このどんでん返しは本当に参ってしまったのです。
と、そんなことがあり、今後はますます父と弟の入院に対する人手が必要になることが確定。
母から、「あんたには申し訳ないけど、いったんバイトを休職してもらうしかないね」となり、自分を7月一杯で休職することをバイト先に伝えました。
昨年から父が大病を患っていること、今年の6月に父の病状が悪化した際に、「そろそろ父の介助の介護が必要になりそうです」は報告していたので休職の件はすんなり受け入れられ、とりあえずは後は父のことも含めてそちらに力を注ぐ覚悟を決めました。
次回につづく
コメント