協調性の有無で大きく人生は変わる

(*以前の記事を引っ越しました)

先日バイト中のこと。
店の前に見慣れない車が停まり、ガタイのいい初老の男性が店内へ。
「あれ~?きょうは社長いないのか~」なんて言いながら入ってきたので、自分はてっきり「社長の知り合いの大工さんかなんかかな」と思っていたのですが・・・。
少し会話をしてみると、1か月ほど前に自分と同じ時間帯に入ったバイト(以下Oさん)でした。

Oさんがバイトとして入ってきたのは、新しいタイムカードが加わっていたので知っていました。
ただ、指導するのは社長で、自分はこの日が初対面。
まずはこちらから名前を名乗り、それから「きょうなぜ店に来たんですか?」と聞いてみると、何とバイトを辞めることを社長に伝えるつもりだったとのこと。
これを聞いた自分は思わず「ええっ?」と声を上げてしまいました。
「なぜこんなに良いバイトなのにいきなり辞めるの」と思わずにはいられなかったのです。

そして「辞めるに至った理由」について聞いていました。
Oさんの主な言い分としては
「ぜんぜん希望する日数、シフトに入れてもらえない」
ということでした。
面接の時点で「週5勤務」を希望したが、もう一人のバイトである自分が週3~4を希望していることもありそれは不可能。
そのため面接で社長から「週3勤務」であることを告げられ、その条件を呑んだそうです。

が、実際に1カ月ほど働いてみると、たった6日しか入れてもらえない。
しかもバイトに入れてもらっても数日おきとかで、作業内容も覚えづらい。
話を聞いた限りでは社長に対して相当不満が溜まっているようでした。
でも、自分もOさんがそんな状況に置かれていたとは、まったく知りません。
それだけに、「社長や奥さんからOさんの希望を聞かされていれば・・・」と思わずにはいれませんでした。
週5の希望を叶えるのは無理だとしても、多少シフトを融通したり、作業内容を覚えやすくするために連続勤務にしたりするなどは自分が協力すればそんなに難しいことでもないですから・・・。

と、そんなOさんの辞める理由を20分ほど聞いたわけですが・・・。
自分としてはせっかく入った後輩の上、他のバイト(コンビニなど)と比べてもだいぶ楽なバイトということは1年やって分かっているので引き止めました。
「仕事覚えて1人で作業出来るようになれば、かなり楽なバイトですよ」と。
自分のペースで作業が出来て、他の人間に気を使うこともない。
その上、時給も適正で職場に性格の悪い人間もいません。
この当時は社員Aはいませんでした(笑)。
自分の人生経験を踏まえて考えてみると、どう考えても「良いバイト」の部類に入ります。
そんなおいしさを知っているだけに、いま辞めるのはもったいなさすぎると。
でも、Oさんの意志はすでに固まっているようで・・・。

で、自分も話を聞いていくにつれ、「60歳越えの男が決めたことだから仕方ないか」と考えました。
それと、Oさんにはちょうど他に週5で働けそうなバイトが見つかりそうだとのこと。
だからこれ以上引き止めるのは野暮とは思いましたが、そのOさんが働くバイトの職場がどんなものかは分かりません。
このご時世ですから、もしかしたらとんでもないブラックバイトの可能性もあります。
そのため、出戻りというか、「もしそのバイトが合わなかったらまた戻って来ればいいですよ」と言いそうになりました。
せっかくいくつかの仕事を覚えたこともあるし、うちの社長はそういうのを許すタイプなので。
でも、そう言いかけて止めました。
というのも、ここでこうも考えたのです。
「1か月足らずで社長にこんなに不満を抱くのなら、この先やってもまた同じような不満が溜まるだけ」だと。

とにかくこの日、Oさんは社長に対して不満を言っていました。
「俺の方はバイトに入ったばかりでアレコレ聞きづらいからさ~、もっと社長が・・・」なんてことを。
これは自分の経験からもよく分かります。
社長は休みなしの上、複数の店をまわり、1日15時間以上働いているお方。
一般的な感覚の持ち主であれば、そんな社長を見てやはり単なるバイトが自分ことだけで、アレコレ聞くというのはどうしても躊躇ってしまいがちですから。
だからOさんがそう言わずにはいられない気持ちはよく分かるのですが・・・。
ただ、ここで自分が去年入社した当初、社長に対してどういう風に接していたか思い出してみました。
そうすると、「いろんなことを含めてそういうタイプの社長」ということで、納得していたような気がします。
つまり自分の中では「こうあるべき」というのがあっても、それを決して社長にはぶつけないようにしていたというか。

昔の自分はこういうとき、よく上の人間に対してもキレていました。
「いやいや、こうあるべきでしょ!」と自分が正しいと信じて。
でも今は「仕事」ということを忘れ、熱くなりブチギレたりするなんてのは愚の骨頂だと思っています。
何か納得のいかないことがあっても、「お言葉ですが・・・」と前置きしてからどういうことなのか普通に聞けば済む話ですしね。
しかし、昔の自分はそういうことが出来ませんでした。
これも今考えてみると、常に「怒り」の感情に囚われて、相手に対しケンカ腰だったからなんでしょうね。
だから何かあればすぐ大声を出してキレる。
周りのことを考えずに雰囲気を悪くする。
ほんとうに今以上に幼稚な大人でした・・・・・・。

ですが、ここ1年は過去の反省を住めてそういうことに気を付けてきた結果、職場での人間関係におけるトラブルはだいぶ避けられています。
例えば相手に仕事上の落ち度があるにしても、それを「もっときちんとやってくださいよ!」ではなく、それがしやすいような状況や環境を作る、またはフォローするとか。
度を越えたミスなら厳しく注意することも必要でしょうが、基本的には「まぁまぁ、自分もミスすることがあるわけだし」とフォローしあう職場だから、自分も今は穏やかに働けているような気がします。

と、そんなことを思うと、社長に対して怒りの感情を持つようになったOさんは、他の職場へ行っても苦労するような気がしました。
今回のことについても、そもそも初対面の俺に言われてもどうにもならないことだらけですし(苦笑。
でも、本人としては誰かに言わずにはいられなかったのでしょうね。
ただ、そうだったにしても、今回のように辞めるという結論を出す前に社長に相談するという手はあったと思います。
結局そういうことをせずに辞めるというのを見ていると、やはりこれからも「人間関係で苦労するんだろうな」と思ったし、自分も改めて気を付けていこうと思いました。

それにしても・・・。
自分の後に入った後輩たちが次々に辞めて、Oさんで3人目。
1人目は家庭の事情。
2人目は肉体的に難しいという理由でしたが・・・、これだけバタバタやめていくのを見ると、人によって合う仕事と合わない仕事というのはつくづくあると思いました。
ただ、自分にとってはバイトとしては最高の仕事。
せっかく巡り会えた縁ですから、これを大事にして周りともうまく合わせていきたいと思います。

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