俺にとって大切な店が・・・

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2ヶ月前の6月のこと。

諸事情でしばらく家族全員での外食から遠ざかっていた我が家。
それぞれの年齢や健康状態を考えると、いつ家族全員での外食が出来なくなるかわかりません(笑。
だからまぁなるべく行けるときは行こうということで、久しぶりに母や弟と共に蔵王にあるなじみのそば屋に向かうことに。

この1~2年。
このそば屋に向かう途中で予期せぬ渋滞に巻き込まれて出遅れ、店に着いたときには料理が出てくるまで50分待ちになったというときもあり、それ以降は行く度にドキドキするのですが、この日はトラブルもなく1時間ほどで店に到着。
11時の開店前に到着して、「きょうは大丈夫だな」と思ったのですが・・・。
店の外観を見た瞬間、どこか違和感を覚えました。
「あれ?なんか違う?」と。

でもまぁそのままスーッと駐車場内へ。
車は1台もなし。
だから家族で「きょうは大丈夫だ」と喜んだのですが・・・。
入り口の前を通り過ぎるとき、なにかしらが書かれて言る貼り紙を発見。
車を停めて俺がその案内を確認してくることに。

小走りにタッタッタッと走り入り口へ。
以前にもこのパターンで「きょうは臨時休業です」というのがあったので、「もしかしたら臨休か?」なんて思いながらその貼り紙を読んでみると・・・。
なんと「4月末で閉店しました」との案内が。
とてつもない衝撃が俺を貫きました。
「まさか閉店なんて・・・」と。
店に入るときに違和感を覚えた理由は、駐車場入り口付近にあった「営業中」の電光掲示板がなくなっていたからでした。

閉店理由は高齢の店主のオヤジさんの腰がダメになり作業が出来なくなったとのこと。
このお店、かなり高齢のご夫婦と30代ぐらいとおぼしきパートさんらしき女性で営業していました。
オヤジさんの方は背中がすっかり曲がっていて、長年この店で必死に仕事してきたことが分かるような佇まいでした。
そして女将さんは小柄でいつもニコニコしていて・・・。
俺のような人間にも会計時に「いつもどうもねぇ」と挨拶に来てくれました。
とても心地よい対応をしてくれていたのですよね。
なので、父の死後、引き継ぐ形で弟と通っていたのです。
家から1時間かけてでも。

と、そんなわけで唯一といってもいいほどなじみのそば屋の閉店を知り、これまたガックリと落ち込んでしまいました。
実は昨年ぐらいから近隣にあるそば屋めぐりをしたこともあるのですが、食べてわかったのはこの蔵王のそば屋の方がおいしくてやすくて良心的な素晴らしいお店であるということが分かったこと。
ずっと蔵王のそば屋に通っていたときは、「こんなもんかなぁ」と思っていたのですが、実はよその店を食べてみたらとんでもなくクオリティが高いことを知りました。
食べ比べてみないとこういうのも分からないものだなぁと。


なのでそれ以降は毎回おいしくいただいていたのです。

鴨のそばに関してはここが俺にとってNo.1でした。
それだけにいきなりの閉店の告知には心がやられてしまいました。
長年親しんだあの味が「もう食べられない」というのはかなり大きな喪失感があります。

と、ここまで書くと、
「そんだけの店ならなぜもっとマメに行かなかったんだよ」
と思う方もいると思います。
で、それは正にその通りで俺も「なぜ3ヶ月も空けてしまった」と考えました。
そしたら気づきました。
「あ、3ヶ月前に行ってから1週間ほど経ったころ、母が体調を崩したんだった」と。

んで、ですね。
ある程度の日数が経ち母の体調が落ち着いた4月。
2回ほどこの蔵王のそば屋にみんなで行かないか?と誘ったのですよ。
しかしなんだかこのとき母がいつもにはないほど乗り気じゃないというか・・・。
なんか不穏さが見えるような感じで断られ、俺もけっこうイヤな気分にさせられたのですよ。
「せっかく誘ったのになんだ」と。

と、これらのことを思い出すと、言ってしまえば母が断ってなければ閉店前来ることが出来て最後の挨拶が出来ていたわけです。
だからちょっと母に対して怒りも覚えたのですよ。
「4月に行っとけばなぁ」と。

でもこの後。
考えてみたら、母も4月の時点では精神的にかなり不安定だったように思いました。
いつぶりか分からない突然のとんでもない体調不良。
それと今年に入ってから足腰が弱ったりもしていて・・・。
そういうのが色々と積み重なって、精神的に若干病んでいて出かける気にはならなかったのだと推測。
俺や弟が精神的におかしくなることは想定してきたことはありますが、母に対してはそういうイメージはありませんでした。
でも人間だから、こういう風に精神の調子が悪くなるのはあってもおかしくありません。
今回の件で「普段から母のそういう部分も見ていかなければいけない」と反省しました。
精神的にもいつまでも元気とは限らないのだと。

とまぁ、俺に親切にしてくれたそば屋のオヤジさんさんや女将さんに対して最後の挨拶が出来なかったのは非常に残念でなりません。
数年間お世話になっていただけに、閉店のときは一言挨拶をかわしたかった・・・。
ま、週2~3で通っていたわけではないので、オヤジさんや女将さんはそこまで俺に思い入れはないとは思いますが(笑。

ちなみに今回の閉店は店としては予定していたものではなく、健康状態の突然のトラブルによる閉店で、店の状態としてはまだまだ営業できるとのこと。
なので貼り紙の最後には、
「もしそば屋がやりたい方がいたら連絡をください」
と電話番号が書いてありました。

それを見た俺は一瞬、「これはチャンスかも」と思いました。
何もしてない俺ですから、その気があるならそば屋になるのもアリです。
しかしまぁ少し冷静に考えて、「俺には無理」とすぐに諦めました。
結局、手先が不器用、根性がない、頭がわるい俺ではこの店のオヤジさんが出していたようなレベルのそばは出せないでしょうから・・・。
仮にオヤジさんが教えてくれたとしても同じような繁盛店にすることは出来ない可能性が大。
というか、独身の俺では店の営業もままなりません。
一緒にやってくれるような嫁がいたらワンチャンあったかもしれませんが・・・。
こういうときでも自分がやりたいように行動できない、チャンスに踏み出すことができない自分の今までの生き様を恥じるばかりです。

 

 

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