1ヶ月ぐらい前のこと。
テレビ番組の企画で、「潰れそうな飲食店を立て直す」というのをやっていて、その中で有識者がこのようなことを言っていました。
「こういう時は足し算でなく引き算をしなくてはいけない」と。
どういうことか説明しますと、こういう潰れそうな状態になったときほど、経営者とかは新たに色んなサービスをやり始めたりします。
このときの潰れそうな店の店主も、扱うメニューを増やしたり、楽天市場にパスタなどの料理を出品したりといろいろやっていました。
しかし、どれもイマイチ振るわない様子。
やる事は増やしているけどそれが成果に繋がらない→不安によりまた新たな事をやり始めて負担が増して、ますます苦しくなるドツボにハマっていました。
これを見たとき、俺は前職でのことや、つい最近までやっていたバイト先のことが頭に浮かびました。
それというのも、前職や今のバイト先も、これとまったく同じことをやっていたから。
秋田にいたころの正社員時代。
入社した当初は業績が良かったものの、4年ほど経った頃から業績が悪化。
その結果、クソ社長は次から次へと「あれをやれ」 「これをやれ」とイベントや企画を立ち上げていきました。
で、指示された以上はやるしかなかったのですが・・・。
当時はどの社員も通常の作業をやるだけでも手一杯。
基本、一人3役ぐらいやらされていたような会社です。
そこにクソ社長の思いつきのイベントや企画により、仕事を増やされ続けた結果どうなったかというと・・・。
通常の作業にも手が回りきらなくなり、これまで普通に行っていた作業にもミスなどが目立ちはじめ、全体的なサービスの質がグッと低下しました。
これにより今まで来てくれたお客さんたちからも不満をかうという・・・。
しかしクソ社長はそんなことに気付かず、その後もイベントや企画を無駄に増やしていき・・・。
最終的にはそれに耐えきれなくなった俺のような社員たちが退社していき、状況はますます悪化していきました。
そしてつい最近までやっていたバイトの飲食店も、まったく同じことをやっていました。
2~3年前に比べて競合店が増え、お客さんが減ってきたこともあり、昨年からメニューを増やしだした社長。
最初のうちは季節や期間を限定した上でのメニュー増だったので、まだ良かったのですが・・・。
昨年の消費税増税のころにメニュー表を作り直すことなどもあり、いくつかの新メニューを追加。
その結果、あっという間に社員たちの作業量が増え、とんでもないことになったようです。
これは引き継ぎ時に社員たちの会話を聞いて知りました。
「あの新メニュー、ずっとやるんですかね」
「他のメニューを減らしてとかならいいだけど、そのままつうのはな・・・」
「でも新しく作ったメニュー表に載せているから、おそらくずっとやるってことですよね」
「・・・いや、それはマジできちいわ」
なんてことを言っていて、これには前職での経験があるだけに、さすがに同情しました。
とはいえ、業績が悪化して、何かしらの手を打ちたくなる社長の気持ちも分かります。
会社として生き残っていくためには、なにもせず指を咥えて見ているだけというわけにはいきません。
だからメニューを増やしたりする気持ちは理解できるのですが・・・。
1つのメニューを増やしただけでも、それ以降そのための仕込み、またそのメニューの準備が必要になります。
これが社員たちの様子を見ている限りでは、かなりの負担になっているようです。
そしてこれはそのメニューをやめるまでずっと続くわけです。
そうなると社員たちの仕事は増え、更に俺のようなバイトにもしわ寄せがきて負担が大幅に増えました。
俺の退職理由は主に社員Aではありますが、他にも「これ以上のサービス残業をしてまでの作業はできない」ということもありました。
きっと社長はこのことを知らないでしょう。
だから現場の状況を把握せず、どんどん足し算して仕事を増やしていくというのは、全体的に見ると決してプラスにならないもので・・・。
ちなみに上記に書いた潰れそうな店は、イタリアンからラーメン一本に絞って、今のところはうまくいっているようです。
最初、メニューを「ラーメン1本に絞る」ときは、「あまりに絞りすぎじゃ」と思いましたが、まぁどうせやるならここまで絞った方が食材の無駄も省けいいのかもしれません。
というわけで、追い込まれたときほど足し算ではなく引き算で仕事を減らす方が大切だという話なのですが・・・。
クソ社長はその後もこのことに気付かず同じことを繰り返し、多くの社員が去って行き会社が崩壊寸前なようなので「ざまあみろ」ですが(笑、バイト先の社長には、何とかこのことに気付いて立て直してほしいですね。
たぶん、今のようにどんどん足し算をしていったら、それこそ社員Aとかでも辞めかねないですから。
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