あまりにも想像力が欠如した上の悲劇だった

去年書いた記事→「おかしな奴の出現率が高すぎる」。
当時19歳の男が働いていた職場である倉庫に放火した事件。
その後どうなったのか先ほど調べたら、こういう判決になった模様。

“被害200億円超「類見ぬほど多額」 日立物流倉庫放火、20歳男に懲役12年判決”

去年。
この事件について触れたときは、まったくこの男の放火した理由が理解できませんでした。
「職場の先輩から注意や暴力を受けていた」「職場である倉庫が無くなれば離れられると思った」で放火したそうなんですが、いくら考えても意味が分かりませんでした。

その職場で働くのがイヤなことは分かります。
俺もこの男と同じ立場だったら、さぞかし悩むことでしょう。
しかし・・・。
「じゃあ職場を無くすために放火しよう」
とはさすがの俺でもならないわけです。
取る選択肢としては「辞める」か「会社に報告する」のどちらかで、俺ならほぼ「辞める」を選ぶでしょう。
報告したところで改善はまず期待できませんし、報告する度胸があるならそこまでやられていないはず。
あと、何もこんな面倒な職場で働き続ける理由もありません。
探せば他にも仕事はあると思うから。

と、そんな感じで「なぜ放火?」と疑問に思ったままだったのですが・・・。
先日。
最近読んでいるマンガ「ケーキを切れない非行少年たち」の中で、自宅に放火した少年のエピソードがありました。
父が外出中に台所に灯油を撒き放火。
ボヤで留めるつもりが火の勢いが強くなり、となりの家まで巻き込んだ火災に。
その結果、火災に巻き込まれた隣の家に住んでいた高齢者が一人亡くなってしまうという事でした。

で、なんで少年に「こんなことをしたのか?」と少年院の精神科医が訪ねると、
「お父さんの気を引くため」
と言う少年。
そしてその後、この少年はこういう事に対する想像力が欠如していることが判明します。
つまり、灯油を撒いて火をつけたらどういう事になるか?が想像できなかったみたいです。
火を付ける前に、「火を付けたら家が全焼する」ということが微塵も頭に浮かばないようです。

 

 

と、これを知ったときに去年のこの事件を思い出しました。
19歳の少年もおそらくこれだったのだろうなと。
「放火したらどうなるかが一切想像できなかった」というのが真相だと考えました。

とにかく先輩から逃れるために「職場を無くす」という考えで放火する。
元々想像力に欠けているゆえに、「辞める」などの選択肢も頭に浮かばない。
だから放火というだいそれたことを実行してしまうのだと知りました。
これはさすがに考えつきませんでした。
俺のような人間ですら、そこら辺は最低限分かっているわけです。
しかし、世の中にはその部分がまったく想像出来ない人もいる。
ふざけているわけではなく、本当にただ理解できない。
何とも気の毒としかいいようがありません。

で、こういう思考の人なら、そりゃ職場でもうまくはいかないだろうなと思いました。
ここまで想像力が欠けている人が健常者と働くとなると、相当厳しいように思います。
むろん、だからといって暴力を振るっていい理由にはなりません。
が、仕事において先輩の方にも相当なストレスがあったんじゃないかと。
放火を実行しちゃったということを思うと、職場における「仕事が出来なさすぎてヤバい人」の部類に入るように思いました。
本当にどうしようもないというか。

なので今になって思うのは、この男も中学・高校の時にこういう障がいがあることに気づいていけば、また別な人生があったのかなと。
とはいえ、こういうのも他人からは見えにくいから難しいものなのでしょうね。
ただ、この件で「本当にここまで想像力が欠如している人がいるんだ」という事を学びました。
己の小さいもの差しだけで相手を推し量るのは危険なようです。

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