前回のつづきです。
治療を受けることを優先し、とりあえずあまり評判のよろしくない病院に行くことにしたのですが・・・。
傷口を押さえながらハンドルを握り、10分ほどで病院へ到着。
診察の終了時間が迫っていることもあり、急いで受付に向かいました。
受付の女性に指を切ったことを説明。
そして問診票に記入していくのですが・・・。
このとき、受付の女性から、
「仕事中に切ったんですか?」
との質問が。
実際、仕事中に切ったので俺は、
「はい、そうです」
と答えました。
すると受付の女性が、
「じゃあ『労災』ですね」
と一言。
これを聞いた自分は「え?」と固まりました。
というのも、この時点で労災に対する知識がゼロ。
「労災ってなんじゃらほい」という状態だったのです。
あ、労災という言葉自体は聞いたことがありますよ。
でも、その仕組みはまったく知りませんでした。
と、そんな予想もしていない「労災」という言葉を聞かされた俺。
何も知らないゆえ、このまま「労災」として診察を受けていいのかどうか迷いました。
まずそう思った理由の1つは、この時点で職場の人には誰にも知らせていないから。
「勝手に労災にして、後で「そうじゃない」とか社長や奥さんから言われたら・・・」
と考えたのです。
だから労災ではなく、普通に治療を受けようと思いました。
「家で料理中に切ったことにでもすりゃいいんだな」と。
だから何とか言い直そうかと思ったのですが・・・。
受付の女性に、
「あの・・・労災じゃないとダメなんでしょうか?」
的なことを聞くと、冷たい感じで、
「はい、仕事中の怪我は全て労災になりますので」
との返事。
それと
「ゴゴウヨウシキを持ってきていただいて・・・」
を繰り返すのですが、俺はこの「ゴゴウヨウシキ」を聞いたことがありません。
このとき、あまりに相手がこの「ゴゴウヨウシキゴゴウヨウシキ」と繰り返すので、正直、
「えっ?このゴゴウヨウシキって常識なのだろうか?」と思わされたぐらい。
ま、後に知ることになるのですが、確かに労災では「ゴゴウヨウシキ」が必要になり、仕事中の怪我は労災というのは正しいです。
ただですねぇ・・・。
労災のことを一切知らない人間からすれば、もうちょっと「こういう仕組みです」的な説明があってもいいようが気がしてなりませんでした。
説明するのが大変なら、この後は「こういう一連のやりとりになります」的なメモでも配布してくれれば、俺のような無知な人間でも助かるというか。
とまぁ、受付女性が冷たく「労災労災ゴゴウヨウシキゴゴウヨウシキ」的な感じのため、俺のケースがどうなるのか分からないながらもそのまま労災で診察を受けることに。
「これで会社に迷惑をかけることになったらやっかいだなぁ」なんてことを考えつつ、不安を抱えたまま呼ばれるまでの間、いまだに出血が止まらない傷口を押さえながら待合室で待ちました。
次回につづく
コメント