人には触れちゃならん痛みがある

人気女性プロゲーマー・たぬかなの〝暴言〟に所属先が謝罪 身長170センチ未満の男性に「人権ない」「調子のんな」

たぬかなさんは“鉄拳”という格闘ゲームのプロプレイヤー。
対戦動画を見たこともるのですが、まぁとんでもない強さなのですよ。
“女性”という話題性とか外見でプロになったわけではなく、しっかりとした実力でプロになった方だと思っています。

で、この発言ですが、たぬかなさん的には冗談だったと思うのですよ。
本当に悪気のない冗談。
自分が普段から思っていることを、そんなに深く考えずにペラペラとしゃべってしまったという感じかと。
特定の誰かを名指しして批判しているわけでもないから、たぬかなさん的にはセーフだと思っていたように思います。
過去にもけっこう過激な発言をしているのを見たこともあるので。

しかし、今回はあまりにも度を超えた発言になってしまいましたね。
さすがに「人権ない」というのは、言葉として最強レベルの侮辱じゃないでしょうか。
言い換えれば「お前に生きている資格はない」と同じようなもんですよ。

で、今の世の中でイジってはいけないといわれている「身体的特徴」に「人権ない」を加えてしまっては、もう取り返しのつかない言葉の暴力。
これ、例えるなら男のプロゲーマーが「○カップ以下の女に人権はない!」とか「ブスは俺の目の届く範囲にいるな!」と同じです。
今のご時世、そんなことを言ったら、そりゃ冗談だったとしても一発解雇ですよ。
とにかく身体的特徴はイジってはいかんのですよ。
それで真剣に悩んで苦しんでいる人も、実際にたくさんいるわけですから。

 

 

というかですね、この件で特にまずいと思うのは、たぬかなさん自身が自分の容姿に関して誹謗中傷された過去に対しての想いをインタビューで語っていたこと。
それで散々苦しんだはずなのに、ネットの配信で人の身体的特徴をバカにしちゃあ・・・。
まぁ一切の言い訳は出来ませんよね。

と、そんなことを踏まえると、先ほど発表された所属チームの解雇もやむなしかと思います。
たぬかなさんのTwitterには「処分が厳しい。口頭での注意でいいのでは」といった擁護の声もありますが、これは一発解雇が妥当だと思います。
先の述べたようにこれは男性が言っても・・・というか、スポンサーが付いているような同じ立場のプロゲーマーがこういう発言をしたら、ほぼ解雇だと思いますから。
「人権ない」というのは、それぐらい危険な言葉なんですよ。
決して気軽に言っていい言葉ではないのです。
特に近年、こういうので様々な問題が起きているじゃないですか。
うっかりでも触れてはいかんのです。

というわけで、この問題は「人権」という強すぎる言葉を使ってしまったことが原因ですね。
たぬかなさんも今ごろは痛いほど分かっていると思いますが、例えば「私は高身長な人が好き」とかなら何の問題もなかったのですよ。
しかしそれが「170cm以下の男は人権ない」では・・・。
無駄に世の中の170cm以下の男の多くを敵に回しますよね。
冗談抜きにこの発言一つで数十万の敵を作ったのではないのでしょうか。
だからこれだけの騒動になってしまったのかと。
それを思うと、あまりに自分の発言に対しての考えが浅すぎたように思います。

それとこの問題で致命的だと思うのは、たぬかなさんの今後のプロゲーマーとして活動について。
プロゲーマーとして生きていくことは出来るのかもしれません。
が、今回の件でついたネガティブイメージはこの先10年はネット上に残るでしょうから、スポンサーはおそらく付かないでしょうね。
どれだけ実力があっても、これだけの暴言を言ってしまうことを考えると、とてもじゃないけど広告塔になってほしいと思う企業はいないでしょう。
せっかくプロゲーマーとしてしっかりとした地位を確立していたのに、言葉一つでその地位を失ってしまう。
俺は人から注目を浴びるようなプロゲーマーでもなんでもありませんが、この一件を見て言葉の使い方については気をつけなければいけないと思いました。
世の中には吐いたが最後、取り返しのつかない言葉もあるんだと。

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