お客様を帰してしまうのがすごい

昨年末。
とあるラーメン屋さんのX（旧Twitter）にて
「駐車場に関するトラブルで2組のお客様にお帰りいただきました」
というのを発見。
せっかく来てくれたお客様を「帰す」ってことは相当なことだと思うので、事の詳細を調べてみると･･･。

このラーメン屋さん。
以前にもツイートを見たことがあるのですが、なんでも近くにショッピングモールがあるとのこと。
で、「そこのショッピングモールに停めて店に来るようなことはしないでください」
という案内を出していました。
店の駐車場は14台ほど停められる充分な広さ。

これを見たとき、俺は「珍しいな」と思ったのですよ。
というのも、こういうのって「後で買い物をするから」とかでそういう使い方をするお客さんも一定数いる気がするから。
行ったことがなくて店の駐車場の場所が分からなかったり、もしくは停めづらかったりすれば、だだっ広いショッピングモールの駐車場に停めて店まで歩く。
ショッピングモールが大混雑しているときなんかはダメでしょうが、平日とかで空いているならそういう使い方をしても特に問題はないと思っています。
後で買い物をすれば、お互いにとってwin-winの関係かと。
だからこのお店がわざわざそういう注意をするのを不思議に思っていました。
「そこまでわざわざ言わなくちゃいけないのかなぁ」と。

で、どうやら帰らせられたお客様たちは、そのルールを破ったみたいです。
店の調理場から来店してくるお客さんがどこから来るか見えるみたいで、ショッピングモールの方に停めたお客様はすぐに分かるんだそうです。
んで、1組は「店の駐車場に移動をお願いします」と言ってもそれに応じなかったとのこと。
もう1組は「ショッピングモールに停めてない」とウソを付いた。

と、この場合、「俺だったらどうするかなぁ」って考えたわけです。
本音を言うと、売上げのことを考えたらそこまでの対応は出来ないような気がします。
来てしまった以上は「次回からお願いしますね」って感じで、その場はやり過ごしてしまうかなと。
卑怯ですいません。

でもそんな俺と違ってこの店主さんは「食べさせずに帰す」という選択をしたわけです。
その理由としては、「気持ちよく料理を提供できないから」とのこと。
まぁ確かに、いくらお客様とはいえお願いに応じてもらえなかったりウソを付くような相手においしい料理を作ろうという気にはなりません。
めちゃくちゃわだかまりは残ると思います。
でも、じゃあ帰すのかと言えば、やはりそれも難しいと思うのです。
「デカい駐車場のショッピングモール、それぐらいはいいじゃん」という感覚だから。
なのでこの店主さんはすごいなと。
まぁ気にくわない客を自分の判断で帰せるっていうのが個人店の良いところだと思うものの、簡単にクチコミが投稿できる時代にそれを実行するのは、相当腹が据わっていないと出来ないことですね。

と、この件ではそんなことを思ったのですが･･･。
後で寄せられた他の方のツイートを見ると、
「そういうのを許してしまうと、近所からにらまれる」
とのこと。
まぁ土地柄によってはそういう事も許せないというか気になる人がいて密告が入り、それを聞いた以上は店主さんも対応せざるを得なかったから、そういう案内を出したのかと思うと、商売っていうのは本当に大変だなぁと感じました。