訴えかけるにしてもやり方がまずいと思う

きょうは数日前から話題になっているこちらのニュースについて。

車いす使用者に別の映画館勧めたか イオンシネマ「不適切な対応」謝罪 ネットは賛否「はっきりさせて」

すでに多くの方が言及しているのですが、これは車いすの方がXにて真っ先に社名を出したのが非常に良くなかったと思います。
ここ数年、影響力のある方が炎上するパターンってこれがとても多いですよね。
そのまま店名を出すっていうのは、もう「許さねぇ!批判されろ!」っていう意志があるのは明らか。
当人が「そんなつもりはなかった」と言っても納得しづらい部分があります。

そして後で「まぁまぁどちらが悪いとかじゃなくて・・・」みたいな話が出ても、
「先に名指しでケンカを売ったのはあんただろ」
となり、事態の収束が難しくなります。
だからこういうことがあったにせよ、まずは「某映画館」とかにしておいた方が良かったんじゃないかなと。

んで、想像もしていなかったことを言われて腹が立ったのかもしれませんが、まずは映画館の窓口に問い合わせるのが先かと。
これ、難しいことじゃないですし。
その上で「納得のいかない対応をされた」とかなら、まぁXとかで何かしらのことをつぶやくならさほど問題もないと思いますが、それをせずにいきなりこんなことをやったら、そりゃ炎上するのを避けられません。

とまぁ初手からまずいと思われる一手を打ってしまった車いすの方。
その後に話が進むにつれ、今度は「今まではやってもらった」という話が出てきたのですが、これを知ったとき、俺は「えっ?」と疑問を覚えました。

というのも、女性とはいえ車いすに乗った人間を運ぶのって相当難しいと思ったから。
昨年、俺の弟が部屋にて転倒して骨折したのですが、その際も床から一メートル半離れた布団に身体を移動させるだけでも難しくて驚いたのですよ。
力の入らない人間を動かすのってかなり大変です。
このときは母と二人で服を引っ張るような形で横に移動させました。
普段の生活でそういう場面はそうそうないゆえ、いざその場面になってその難しさを知りました。
専門的な知識がないと本当に無理です。

だからその「今まではやってもらった」ということにけっこう驚きました。
車いすに乗った女性を段差のある映画館内で運ぶって、筋力的に考えても相当な難易度。
女性と車いすの重量を合わせると50キロを超えるようなので、一人では到底むりで、二人がかりでもかなり難しいと思います。
そういう知識がない素人だと尚更。

で、この事についても介護や福祉の仕事をされている方々がどんどん言及。
すると「車いすに乗せたまま段差をのぼって運ぶなんてやらない」とのこと。
非常に危ないことなんだそうで、俺はまったく知りませんでした。
専門的な知識を持つ人たちでも「無理」というようなことを、映画館のスタッフにやらせていた。
これが「過剰サービスを求めていた」と捉えられているようで、ここら辺も批判の対象になっているのかなと。

また他にも、転落や転倒があったときに「誰が責任とんの?」って事ですよね。
非常に危険なことでありそのリスクを考えると、映画館側の「今後の対応はできかねます」は仕方ないと思いました。

とはいえ、俺は支配人の方の説明にもの凄くモヤモヤしたものを感じました。
車いすの方がXに載せたツイートを引用させていただくと、

「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、
今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか。

だそうなんですが、俺が引っかかるのは赤字の部分。
俺が言われたとしてもスッとは受け入れられないです。
「え?どういう意味?」って感じになります。
これは車いすの方が「突き放された」というのも分かる気がします。

だから説明するとしたら、
「転倒や転落があった場合に大変なことになる恐れがあるため、今後はお手伝いすることが出来なくなりました。
次回以降にこちらの席をご希望の場合は介助者の方を同伴の上でお願いします」

とかですかね。
これでも車いすの方が納得するのは難しいかもしれませんが、まぁスジを通しているとは思います。

ただまぁ、映画館側がこういうことを言わざるを得なかった背景もそれとなく見えるのが辛いところ。
最初は良かれと思ってやったらそれが当たり前になり・・・って感じで、
「これが続くと大変なことになるぞ」
って感じで支配人が言うしかなかったのかなと。
これも様々な業種でよくある話ですよね。
だから「基本的なサービス以外の事はやるんじゃねぇ」という・・・。
善意が仇になるというのは悲しい話ですが、これもまた現実なんですよね・・・・・・。

とまぁ、そんなことを思ったこの一件。
以前あった車イスの方の駅での炎上騒動と同じようなことを感じました。
あれも社会に訴える意味でやった事で、今回も世論に訴えるという想いでやったのかもしれませんが、こういうやり方だと敵を増やすだけだけだと思うのですよね。
これまでせっかく車いす使用者に関して世間に分かってもらえるような活動をしていても、これ1回でそれが全て台無しになってしまうというか。
だからもっとお互いに歩み寄れるところは歩み寄り、その上で建設的な話をしていくようになればいいかなと。
何かあった時に問題提起だとしてもこういうやり方は、損こそすれ得はしないと思います。

 

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